- CRPSの認定と具体的症状について詳しくご説明いたします
1. CRPSの認定
医学的な診断基準としては,IASP(1994 年,2005 年)のものをはじめ,いくつかの診断基準が存在します。さらに,IASPの判定指標は,臨床用と研究用に分かれるなど,その診断基準が確立しているわけではなく,CRPSの認定は簡単ではありません。
その上,臨床上CRPSに認定されたとしても,上記基準が後遺障害の認定基準と合致するわけではないため,後遺障害の認定がなされない場合もあり、交通事故における損害賠償請求において,後遺障害の慰謝料や労働能力喪失に伴う損害賠償額の認定につき争いになりやすいといえます。
2. CRPSの具体的な症状
CRPSのIASPの判定指標によると,自覚症状として挙げられているのは
- 皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
- 関節可動域制限
- 発汗の亢進ないしは低下
- 浮腫
- 持続性ないしは不釣合いな痛み,しびれたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる),知覚過敏
とされています。