過失割合に関する連絡の例をご紹介します
〇〇損害保険株式会社
甲山一郎代理人弁護士 松山勝利
電話番号 089-907-3765
当職らは,甲山一郎氏(以下「通知人」といいます。)を代理して,平成31年5月30日に発生した,相手方を九州一郎氏とする交通事故(以下「本件事故」といいます。)について,損害賠償請求に先立ち,以下の通り過失割合について連絡いたします。
貴社にてご検討の上,当職までご回答下さい。
1.本件事故状況と過失について
ア 事故状況
通知人運転の自転車(以下「甲山車」という。)は松山生協方向から直進してきて交差点を左折して、国道方面に進行しようとした。
甲山車が交差点を左折して交差点の中央付近に進入し甲山車が左斜めの状態になった時、踏切を越えて交差点を通過してきた九州一郎氏運転の車(以下「九州車」という。)が、減速をせずにそのままの速度で甲山車に衝突した。
九州車との衝突の衝撃で甲山車と甲山氏は飛ばされて、甲山氏は4m程度飛ばされた。
イ 過失割合
本件事故の過失認定に当たっては、別冊判例タイムズ38号420頁,図【270】を準用する。同図は自転車右折の場面における基本過失や修正要素を示したものであるが,自転車左折の場合と比べ,自転車・乗用車の注意義務に変わるところはない。なお,自転車が路外から左折する場合における基本過失が40:60である(図【300】)ことと比べれば,同幅員の交差点の基本過失を30:70と考えるのは合理的であろう。
基本過失について
・ 甲山氏は自転車で交差点左折
・ 九州氏は直進
修正要素について
・ 開示されたドライブレコーダーを見る限り,甲山氏は明らかに交差点に先入しており,また,九州氏のブレーキ操作や実際の速度は明確でないものの,九州氏より甲山氏が視認可能になっている状況で交差点に入った九州氏が徐行・減速していないことは明らかである。
・ 甲山氏は85歳であり,高齢者であることには争いはないで
あろう。
甲山車 九州車
基本過失 30 : 70
(修正要素)
甲山高齢者 -5 +5
九州氏徐行なし -10 +10
甲山氏の明らかな先入 -10 +10
過失割合 5 95
上記の通り、甲山氏の過失5%、九州氏の過失95%とするのが
妥当といえる。